大和平野中央スーパーシティ構想とは ~磯城郡の覚醒~

最近よく目にする(?)、「大和平野中央スーパーシティ構想」。

「大和平野中央プロジェクト」ともいわれ、簡単にまとめると奈良県磯城郡(川西町・三宅町田原本町)と共に進めるまちづくり計画である。

2020年10月、奈良県磯城郡3町がプロジェクトの協議に関する覚書を締結したことから始まった。

 

対象地域とまちづくりのテーマ

①川西町 下永地区

大和郡山市まほろば健康パーク(奈良県第一浄化センター)南東、大和川北側の田んぼを整備予定。

浄化センター公園を再整備して2014年にオープンしたまほろば健康パークと連携した健康増進のまちづくり(ウェルネスタウン)をテーマとしている。

まほろば健康パークはさらなる機能強化・再整備が決まっている(2027年開園予定)が、他地区に比べ下永地区の整備詳細はいまだ明らかになっていない部分が多い。

川西町ホームページによると「ファミリー層をターゲットとした施設の誘致を考えている」とのこと。

 

三宅町 石見地区

近鉄田原本線黒田駅東側、近鉄橿原線石見駅南西の田んぼに奈良県立大学工学系新学部キャンパスを新設予定。

奈良県立大学新キャンパスイメージ図
奈良県ホームページより引用

大学を核とした「スタートアップヴィレッジ」をテーマとしている。

「スタートアップヴィレッジ」と言われてもあまりピンとこないが、町内での起業や就業、研究を支援し、大学と連携・交流しつつ産業の活性化を図るというものらしい。

ちなみに、奈良県立大学は1990年に奈良県立商科大学として開学した大学。今回三宅町に設置される工学系新学部は2025年度、奈良市の現キャンパスに先行設置される予定。

奈良県立大学奈良市船橋町)

田原本町 阪手北・西井上地区

国道24号線の東側、唐古・鍵考古学ミュージアムのすぐ北の田んぼを事業区域として、将来の県のスポーツ拠点施設を整備予定。これは三宅町の県立大新キャンパスと並んで本計画の目玉の一つである。

スポーツ拠点施設イメージ図
奈良県ホームページより引用

川西町と同じく健康増進のまちづくりをテーマとしているようだ。

また、奈良県では2031年の国体(2024年から国民スポーツ大会に改称予定)開催が内々定しており、そのメイン会場となる可能性がある。

鴻ノ池運動公園を使わない理由や他のメイン会場候補については下の記事にまとめています。(橿原公苑と橿原運動公園の用地交換・一体的整備案は断念することになったようです。)

nara-local-info.hatenablog.com

 

④スーパーシティ構想

そこで、大和平野中央プロジェクトの進化を図るために取り組まれているのが「大和平野中央スーパーシティ構想」だ。

先端技術で未来社会の先行実現を目指す、国の「スーパーシティ構想」第二次募集に応募することも決定されているらしい。

この構想には、前述したスポーツや教育関連だけでなく、田園都市の建設や脱炭素社会、デジタル社会の実現といった未来都市的なテーマも盛り込まれている。

 

奈良県はこの構想・計画を実現させるため、用地買収や議論などに多くの予算を充てています。今後、少し地味な(失礼)磯城郡3町がどのように開発され、発展していくのか楽しみなところです。

 

参考資料

広報みやけ 令和4年1月号

【大和平野中央プロジェクト】奈良県と『健康増進のまちづくり』で協定 | 奈良県川西町

奈良県、国のスーパーシティ構想応募へ 大和平野中央で: 日本経済新聞

奈良県ホームページ

https://www.pref.nara.jp/secure/261387/hokoru.pdf

https://www.pref.nara.jp/secure/236565/1011_tiikipurojekuto.pdf